
福井県小浜市にある「明通寺(みょうつうじ)」。
大同元年(806)、征夷大将軍・坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)によって創建され、御本尊の薬師如来、降三世明王、深沙大将の3体を自ら彫って安置したと伝わります。
坂上田村麻呂
平安時代の武将で、桓武天皇より征夷大将軍に任命され、東北地方に住む蝦夷を平定した人物。国司として若狭に赴任した。
戦前の日本では「文の菅原道真、武の坂上田村麻呂」といわれ、文武のシンボルとされた。

本堂(国宝)
本堂と三重塔は、建造物としては福井県内で唯一国宝に指定されています。
鎌倉時代中期の正嘉2年(1258)に再建。

三重塔(国宝)
鎌倉時代中期の文永7年(1270)に再建。三間三層、檜皮葺、総高22.26m。


山門
入母屋造桟瓦葺の三間の楼門で、上層と下層に分かれ下層には仁王像を安置されています。
江戸時代の明和9年(1772)再建とされています。若狭地方では比較的大規模な楼門。

本尊・薬師如来(重要文化財)
平安時代後期作、一木造、像高1.34m。

深沙大将(重要文化財)
平安時代後期作、一木造、像高2.54m。
頭にはドクロを戴き、腹には女性の首を挿し、左手に蛇をもち、右手は戟を取っています。
深沙大将は「大唐西域記」で知られる「玄奘(げんじょう)三蔵」が苦難の陸路天竺行のとき出現して、一行を守護したと伝えられている仏教の守護神。
日本国内では作例が少ない珍しい仏像です。
玄奘三蔵(602-664)は、中国唐代に活躍した実在の僧侶で、法相宗の開祖。

降三世明王(重要文化財)
平安時代後期作、一木造、像高2.50m。
密教の五大明王の一尊。四面八臂の姿で、四面それぞれに三眼をもち、胸前の二臂は交叉して降三世印と呼ばれる独特の忿怒拳を結んでいます。
足下に注目!!大自在天(だいじざいてん)と妻の烏摩(うま)妃が降三世明王に踏みつけられています。密教ではお決まりの?型のようです。

パンフレット


明通寺境内図
<明通寺>
【住所】福井県小浜市門前5-21
【電話】0770-57-1355
【時間】9:00〜17:00
【拝観料】500円
【駐車場】あり