年に1日だけ開扉される「東大寺・開山堂」@奈良
- Asami
- 2021年6月5日
- 読了時間: 2分

奈良県奈良市にある「東大寺・開山堂」。
開山堂(国宝)は、普段非公開なので分かりづらい場所ですが、東大寺二月堂の下、四月堂の北側白壁の囲みの中にあります。
内陣中央に八角造の厨子がすえられ、秘仏・良弁(ろうべん)僧正坐像(国宝)が安置されており、年に1日、12月16日(良弁忌)のみ開扉されます。
開山良弁僧正の像を祀るため、良弁堂とも呼ばれます。


開山堂の入口
良弁僧正
東大寺の初代別当。
わが国に華厳経の教えをひろめ、東大寺建立に力を尽くした高僧。
持統天皇3年(689)、相模国(神奈川県)の漆部(ぬりべ)氏の子として生まれ、義淵(ぎえん)僧正に師事されたといわれるが、別伝では近江百済氏の出身で幼時に鷲にさらわれ、義淵僧正に育てられたともいわれている。
良弁が亡くなった宝亀4年(773)から246年後に初めて御忌法要が行われたことから、開山堂はその時に創建したとされ、僧正像も同時に造立されたといわれています。
ただ僧正像については、その重厚な造りや鋭い衣文表現などから、様式的には9世紀後半の作とする説もあります。

秘仏・良弁僧正坐像(国宝・平安時代)パンフレットより
像は92cm、一木造。
持物の如意(読経や説法の際に手に持つ道具)は厨子内の杖とともに、僧正遺愛の品と伝えられます。

開山堂(国宝)

東大寺の名椿「糊こぼし」
開山堂の境内には「奈良三名椿」の一つとして知られる「糊こぼし」があります。
紅色の花びらに糊をこぼしたような白い模様があることから「糊こぼし」と呼ばれます。
他の二つは白毫寺の五色椿、伝香寺の散り椿。

写真は数年前の12月16日(良弁忌)のものです。
たくさんの方が参列されていました。
<東大寺・開山堂>
【住所】奈良県奈良市雑司町406-1
【電話】0742-22-5511
【時間】10:00〜16:00
【拝観料】500円 ※12月16日のみ開扉
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