奈良県奈良市にある「春日大社」。
奈良時代の神護景雲2年(768)、神山である御蓋山(みかさやま)の麓に、称徳天皇の勅命により、武甕槌命(タケミカヅチノカミ)、経津主命(フツヌシノミコト)、天児屋根命(アメノコヤネノミコト)、比売神(ヒメガミ)の4柱の御本殿が造営されたのが春日大社の創祀とされます。
武甕槌命は、鹿島神宮の御祭神で、日本神話の中の国譲りにおいて、天照大御神の命で出雲国に派遣され、見事にその役を果たし国を平定しました。武力と権威の象徴ともいうべき神様です。
経津主命は、香取神宮の御祭神で、武甕槌命と同じく国譲り神話において出雲国に派遣され、見事にその役を果たされた神様で、武運守護の神と仰がれています。
天児屋根命は、日本書紀に「中臣の上祖(とおつおや)」「神事をつかさどる宗源者なり」と記され、大和朝廷の祭祀をつかさどった中臣氏(後の藤原氏)の祖神で、比売神はその后神です。
春日大社伏鹿手水所
巻物をくわえた鹿の口の部分から水が流れ出るようになっています。
こちらの手水舎で、まず身を清めます。
祓戸(はらえど)神社
本殿の前に、こちらの祓戸神社にお参りして、罪・穢れを取り払うのが正式な作法になります。手水舎のすぐ横にあるので、忘れずにお参りしましょう。
遠く鹿島から奈良まで、武甕槌命が白鹿の背に乗って来られたことから、春日の鹿は「神の使い」とされています。
現在、奈良公園を中心とした地域に約1300頭の鹿が生活しています。
石燈籠にも鹿が!
砂ずりの藤
春日大社の南門を入って左手にある樹齢約800年の藤。
藤は春日大社の社紋にもなっています。
春日大社の「下がり藤」社紋
春日大社は燈籠の数が日本一多い神社です。石燈籠約2,000基、釣燈籠約1,000基の計約3,000基もの燈籠が参道から本社に至るまで並んでいます。
直江兼続 奉納 釣灯籠
宇喜多秀家 寄進 灯籠
樹齢500年の柏槙(びゃくしん)という木が、重要文化財の直会殿の建物を突き抜けるように生えています。
本宮神社遥拝所
神山である御蓋山の山頂には、藤原氏の招請により鹿島神宮からやってきた武甕槌命が最初に降臨したとされる「浮雲殿」があり、その地が「本宮神社」として祀られています。
御蓋山は禁足地なので、こちらから本宮神社を拝みます。
<春日大社>
【住所】奈良県奈良市春日野町160
【電話】0742-22-7788
【時間】6:30〜17:30(3月〜10月)
【拝観料】特別参拝 500円
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