京都市東山区にある「戒光寺(かいこうじ)」。
泉涌寺の塔頭のひとつで、泉涌寺の境内にあります。
鎌倉時代の安貞2年(1228)、南宋から帰朝した浄業曇照(じょうぎょうどんしょう)が大宮八条の東堀川の西に戒光寺を創建。丈六の釈迦如来立像を本尊として迎え、後堀河天皇の勅願所となりました。
応仁の乱によって堂宇を焼失しますが、かろうじて焼け残った釈迦如来像を一条戻り橋の東に移し、更に三条川東を経て、正保2年(1645)に後水尾天皇の発願により現地に移転され再興、泉涌寺の塔頭となりました。
本尊・丈六釈迦如来(重要文化財)
鎌倉時代作、寄木造り、像高5.4m、総高10m
鎌倉時代の大仏師・運慶とその長男・湛慶(たんけい)父子の合作。
身の丈は約5.4m、台座から光背部を入れると約10mになります。光背・台座も同時代のもので、蒔絵彩色も良く残り、宋風の類稀な鎌倉時代彫像です。
こちらの丈六釈迦如来の首元をよく見ると、血が流れたような跡があります。
これは、後水尾天皇が東宮であった頃、即位争いに巻き込まれ暗殺者に寝首を掻かれた時に、この釈迦如来が身代わりにたたれ、ついた血の跡だといわれています。
この事から「身代わり丈六さん」と呼ばれるようになり、篤い信仰をうけています。恐ろしくも面白い逸話ですね。
<戒光寺>
【住所】京都府京都市東山区泉涌寺山内町29
【電話】075-561-5209
【時間】9:00〜17:00
【拝観料】特別拝観 500円
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