平安時代の高貴な美男子歌人が作った「不退寺」@奈良


■ 和歌の名人で、美男子の代名詞にもなった「在原業平」

承和14(847)年、在原業平(ありわらのなりひら)が自刻の仏像を安置した場所を寺としたのが始まりと伝えられています。

在原業平は、平安初期の歌人・貴族で、平城天皇の孫、桓武天皇の曾孫にあたります。 六歌仙・三十六歌仙の一人。つまり、和歌の名人。

血筋からすれば非常に高貴な身分ですが、薬子の変により皇統が嵯峨天皇の子孫へ移ったため、臣籍降下し、在原朝臣姓を名乗るようになります。

南門(重要文化財)

■ 高貴な生まれでありながら反体制的な貴公子

藤原氏に政権をはばまれ、不遇のため数々の乱行も伝説として残されているそうです。

容姿が美しく、美男の典型といわれ、「伊勢物語」のモデルとされていますが、事実かは不明。

出世・政界からは少し距離を置き、やけっぱち?に高貴な女性たちと禁忌の恋に走り、奔放で美男で稀代のプレイボーイ。 風流に明け暮れ、和歌を作らせると名人・・・

確かに小説にしたくなります。素敵。

■ かるたの少女漫画で有名になった「ちはやぶる」の作者

ちはやぶる 神代もきかず 竜田川

からくれなゐに 水くくるとは  by在原業平

<現代語訳> 神の時代にも聞いたことがない。 竜田川が(一面に紅葉が浮いて)真っ赤な紅色に、水をしぼり染めにしているとは。

蛇足ですが、竜田焼きの由来も、この歌に出てくる奈良県生駒郡の「竜田川」の紅葉の様子からきています。

■ 在原業平の命日に行われる「業平忌」

在原業平の命日である5月28日に、不退寺で「業平忌」が行われます。 本堂内に秘宝「業平画像」を掲げ、菖蒲、カキツバタを飾り、その遺徳を偲びます。

当日の28日は、11時より法要が行われ、普段は非公開の真言八祖の絵が描かれた多宝塔(重要文化財)が特別開扉されます。

多宝塔(重要文化財)

本堂(重要文化財)

本堂内には、ご本尊の聖観音像(重要文化財)が祀られています。

業平の自作で、美形な本人に似せて作ったのでは、ともいわれてるそうです。

聖観音像(重要文化財)

■ 美形で優しく色白の聖観音像

耳の上の大きなリボンと、色白のお顔が特徴的な聖観音像です。

お優しい表情と柔らかいプロポーションが本当に美しいです。

パンフレット

近鉄新大宮駅から徒歩15分ほどで、普段は静かな場所です。

在原業平のキャラクターも興味深いですし、 不退寺の聖観音像は好きな仏像の一つなので、オススメの場所です。

<不退寺> 【住所】奈良県奈良市法蓮町517 【電話】0742-22-5278 【拝観料】大人500円、業平忌:大人700円 【サイト】http://www3.kcn.ne.jp/~futaiji/

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